僧侶のつぶやき

釈迦の知恵「反応しない練習」|モヤモヤしたストレスの正体を解き明かす

最強の心理武装「仏教マインド」

こんにちは。トムです! いきなりですが、皆さんは以下の項目で該当するものはありますか?
  • コロナで仕事を失い所持金がどんどん減って来ている
  • 残業だらけで心に余裕が持てない
  • 職場の上司にパワハラを受けている。
  • 嫁や旦那と上手くいっていない。
  • 今の仕事にやりがいを感じられない。
  • 老後が非常に不安。
  • 最近、不運な出来事が重なり気が重い。
  • 持病が悪化し辛い。
どれにも当てはまっていないという方は少ないのではないでしょうか? ところで、以前、最も長生きする職業が「僧侶」という統計の話を記事にしました。 その理由はずばり、僧侶の人生は「悩やストレスを遠ざける」という思考で成り立っているからだと思っております。 皆さんは仏教と聞けばどういうイメージが湧きますか? お経と呼ばれるわけ意味不明な呪文を唱えると魂が天国へ行けるという摩訶不思議なスピリチュアルの世界? お坊さんはきっと修行によって霊魂と対峙できるふしぎな力を持っていると思われているかもしれません。 (経験上、実際にそう思われている?) 仏教のみならずキリスト教の世界もそうですが、開祖の時代から時を経て大人の事情でだんだんと儀式的な世界へと変貌を遂げていきます。 だからこそ一般人が介入できないビジネスに成り得たりもするんですが、お釈迦様の考えは非常にシンプルで心理学的世界だったんですね。 アップルの創始者スティーブ・ジョブズの影響でマインドフルネスという瞑想がアメリカのシリコンバレーの若きITビジネスマンたちの関心を集めています。 仏教や瞑想という摩訶不思議なスピリチュアルな世界は経営されますが、心理科学的な名称に置き換えられると一気に胡散臭かが取れ一般社会に取り入れられるというわけですね。 欧米で今ふうにコンバートされたマインドフルネスですがその源流は古代インドの仏教やヨガの瞑想ということで、今更ながら根本思想が着目されています。 今回は僧侶が書いたベストセラー本「反応しない練習」の内容をシンプルに解説してみたいと思います。 この記事がほんの少しでも共感いただけたら幸いです。
 

ベストセラー「反応しない練習」を手に取った理由

草薙龍俊さんの著書「反応しない練習」という本が非常に話題になっていますね。
トムも読みましたよ。
実はここだけの話、僧侶の書いた本は御堅い感じがしてあまり手を伸ばさないのですが、この本だけはそういうバリアを全く感じさせませんでした。 そもそも、なぜニッチな宗教関連書籍なのにそんなにも売れているのか? そういう方面の好奇心が疼きます。 現代日本人は悩みやストレスからの解消や精神的な救いを求めているようです。 そして、この本は私個人としての仏教マーケティングとして大いにたつ情報だと確信しました。
 

苦しみからスタート

手掛けているビジネスでアメリカやアジア諸国に出かけることが頻繁にありますが、日本人を含む仏教圏の人たちとキリスト教ベースの国の人達は顔や言語のみならず、根本的なマインド自体が異質だと感じることが多々あります。 根底には「キリスト教vs仏教」という思想や価値観の違いがあるのでしょう。 キリスト教の原理は簡単に言えば神が喜ぶことをしながら天国行きのポイントを貯めることなのですが、仏教は人生を如何に楽に過すかというメンタル指南法です。 仏教のスタート地点は苦しみです。 人生はデフォルトで苦行という捉え方です。 四苦八苦(しくはく)という言葉を聞いたことがあると思います。 「今回の試験は落ちるわけ行かないので仕事の合間に四苦八苦しながら勉強したよ」 日常的に使われているこの言葉は元は言えば仏教用語として生まれました。 人間は皆、この世の生まれ落ちた瞬間から合計8種類の苦しみを背負います。 わぁ~怖いですね!! 皆さんはご自身の人生についてどう感じていますか? 四苦は「生(しょう)・老・病・死」で更に「愛別離苦・怨憎会(おんぞうえ)苦・求不得(ぐふとく)苦・五陰盛(ごおんじょう)苦」の四苦を加え八になります。 もうこの世は苦しみ祭りじゃないですか・・・ それを大前提に「如何に苦しみから解放されるか」を指南する専門学校的存在となって行きます。 つまり、人間の心を科学する古代の心理学が仏教の根本というわけです。
 

たった一つの事から始まる人間の悩みとは?

実はすべての悩みや苦しみはたった一つのことから始まっています。 そして仏陀が指南した正しい考え方を基に行動するだけでどんな悩みも必ず解消できるようになります。 この重要な指南が示すカテゴリーは大きく3つになります。
  • そもそも悩みとは何か
  • 今感じている悩みやストレスの種類とは?
  • 他人に期待しないようにする
さあここから各論へ行ってみましょう。
 

指南1 悩みやストレスは心の反応である

悩みやストレスを遠ざける前に「私たちが日頃抱える悩みやストレスとは一体どういうものなのか?」という事を改めて振り返ってみましょう。 ここは非常に大切な入り口です。 冒頭に挙げました通り、生きているだけで悩みやストレスは蓄積されますよね。 生老病死という仏教が認識する苦しみ。 とくにSNSを含む人間関係による悩みやストレスは秒単位でやってきますよね。 ここから一体どうやって開放されるというのでしょうか? 誰もいない山へ籠もりますか? いっそ苦しみの原因を作っているあの人さえいなければ・・・ あの人が雷に打たれて人格ごと激変すれば良いのに・・・ SNSのように簡単にブロックできれば良いのですが、実社会で利害関係のある人との関係を簡単に切れないのが現実です。 我慢しながら生活する。 それも一つの手ですが、限りある人生でそれはあまりにも勿体ない。 少し視点を変えてみましょう。 一見、外的な要因がもたらしているように思える問題は仏教思想では自分の心の反応であると捉えます。 すると皆さんはこう思うでしょう。 「え、だって嫌な上司がいるからこそ悩んでいるし、老後が心配なのは年金制度が破綻しそうという事が要因だし、それを自分で解決できるわけないやん!」
では、極端な話ですが、ある日なんとなく買ったロト6が大当たりしらどうでしょうか? リアルに当たった時の状況を想像(妄想)してみてください。 意地悪な上司のパワハラを受けるたびに地の底まで落ち込んでいたはずなのに些細な事として捉えられただの自然現象として流せるでしょう。
つまり心の反応は受け止める自分の心的コンディションによって結果が変わるんです。
悩みやストレスの本質というのは外的要因よりもむしろ自分でコトンロールできるということが言えますね。
もうこの時点で随分心が軽くなった気になったのではないでしょうか?
 

指南2 悩みやストレスを峻別する

人間には欲があります。 悪いことではありません。

それがあるからこそ社会や経済が大きく発展し生活も快適になってきました。 食べ物の状態や医療レベルも向上し寿命も大巾に伸びましたね。 しかし、一方で苦しみもこの欲によって引き起こされてしまうという皮肉な現実があります。 仏陀が認識した人間の欲は7つに分類されます。

現代心理学的に言えば「1生存欲」「2 睡眠欲」「3 食欲」「4 性欲」「5 怠惰欲」「6 歓楽欲」「7 承認欲」となります。

つまり、人間の苦しみはこれらの欲求の渇きに端を発しています。 重要なのは「これらを一切無くせ」という根性論的なものではなく、どういうメカニズムで悩みが生成されているのかを理解せよということなんです。 つまり欲と悩みの関連性を科学します。

この7つの欲の中でも様々な災いを引き起こすのが承認欲です。

承認欲による苦しみに振り回されないということが私たちにとって最も大きなテーマとなります。

 

 

承認欲とは

ここで改めて、承認欲とは、「世間から認められたい、または自分で価値ある存在として認識したい」という欲のことです。

別名「尊敬・自尊の欲」とも呼ばれています。

つまり承認欲には「自己承認欲」と「他者承認欲」に分けられます。

これは人間特有の欲求ともいわれ、SNSも加わり複雑な現代社会ではモンスターとして育ってしまいました。

人間の成長とともにこの承認欲も成長します。

子供の頃は親に愛されたいという素朴な欲求しかありませんが、成長するにつれて世間から褒められたいとか優等生ありつづけたいとか、もっと人気者になりたいと言うようにスクスク育って行きます。

大人になれば尊敬されるような仕事や地位を欲し、自分は他人より優れているという優越感やプライドを大切にします。

逆にそれが叶わないとなると「自分はダメな人間だ」という自己否定に走ります。

こうした現象を引き起こすのはひとえに、自分を認めてほしい、注目して欲しい、愛して欲しい、評価して欲しいという「承認欲」なんですね。

悩みやストレスも原因がシンプルでわかりやすいケースもありますが、原因がはっきりせず長期にモヤモヤするものもあります。

大概、その原因がはっきりしない謎のモヤモヤ感はこの承認欲の渇きから来ていることが多いんです。

しかし、自分の状況を客観点に分析することができれば満たされない承認欲の存在が見え、理解と解決につなげることが出来ます。 それが習慣化されれば、今自分を苦しめている心の負の反応が自然と静まって行きます。

 
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TOM

酒とゴルフとお遍路が大好きな僧侶TOM。国内外のビジネスオーナーとして日々邁進中。

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