世界のお買い得国「日本」
こんにちは!トムです。
海外出張から日本へ戻るたびに思うことは「なんてコスパの良い国なんだ」ということです。
なんだか耳触りの良い響きですよね?
低価格でハイクオリティな物が手に入るなんて日本人に生まれて良かったと思う人も多いと思います。
先日、タイのバンコクへ新店舗候補地を視察するために行ってきました。
その際、タイのダイソーで少々買い物をしましたが、なんと日本の2倍します。
基本単価が100円じゃないんですよね。
ここ30年物価と給料が横ばいの日本に対し、海外諸国はどんどん物価も給料も右肩上がり。
ニューヨークのレストランで働く大学生に、時給がいくらなのかインタビューした内容が話題になっていたので少しご紹介します。
学生:ウェイトレスの時給は15ドル。チップと合わせて時給25ドルぐらいかな〜
ニューヨークの最低賃金は15ドルおよそ1700円です。
チップ込みで時給3000円近くになるという人も。
日本と比べると、高いアメリカの賃金に今、異変が起きています。
記者:コロナ禍から経済が回復に向かうアメリカでは、人手不足が深刻になっていまして、人件費を上げる動きが加速しています。
アメリカ労働省が12日に発表した。9月の求人件数はおよそ1040万人に上りました。
アメリカは日本の経済が停滞しているこの30年でずっとインフレが続き株価も中長期的には右肩上がり。
そして今回のコロナ禍で給付金を配りまくりインフレを更に加速させています。
これがリスクある経済状況であると警鐘を鳴らす経済学者もいますが、勢いのある国であることには代わりありませんね。
一方、日本はずっとデフレ。
横ばいの物価に対し給料はもっとデフレ・・・
いつの間にか韓国にも平均所得を抜かれているのですが、あまり日本人はそこに危機感を抱いていないように思えます。
理由その1
デフレ世界、皆で渡れば怖くない。
自分だけがデフレ給料だと焦りますが、周りも同じような状況なので横並びの好きな日本人にとってある意味安心感が漂うのでしょう。
理由その2
物価も給料もバランスよく安いので無問題。
確かに30年間、家賃も含め値段が横ばいなので安い給料でもなんとか生活できるというギリギリのバランスを享受しているようです。
実は恐ろしいインバウンド
コロナ前までは中国からの爆買客を始め、外貨がどんどん国内へ流入し瞬間的に経済が活性化していました。
インバウンドビジネスの携わる人は良いのですが、国全体でみたらとんでもないリスクを抱えることになります。
つまり、新興国と同じ状況に陥るということです。
北海道のニセコの土地を外国人が買い漁り、地下や賃貸料がバク上がり。
さらにズワイガニの高騰をはじめ、普通のラーメンでさえ1500円を超える事態になってしまいました。
石垣島も同様に家賃が高騰し、現地の人が住めない世界へ。
これは完全に東南アジアの後進国と同じ状態ではないでしょうか?
私の友人がフィリピンから日本へ戻ってきて、こんなことを言っていました。
フィリピン産のパイナップルがスーパーに売ってるけど、フィリピンでは現地の人が食べれない高級品。
現地のミンダナオ島のパイナップル畑では外国への輸出用の高級品と庶民が食べる廉価品と扱いが違うそうです。
日本で作られた物が日本人の口には入らない状況がすでに始まっているという事なんですね。
そして優秀な人が海外へ流出してしまうというのも後進国あるあるな状況です。
アメリカのNetflix社は優秀な日本人アニメーターを高額で雇いはじめています。
優秀なエンジニアも同じく日本の給料の倍の値段でヘッドハンティング。
そういう人は海外で外貨を稼ぎ海外へ納税します。
もし自身が外国人で低額なのに最高のサービスと質を提供してくれる日本へやってきた旅行者だとしたらどう思いますか?
なんてオトクな国なんだろう?
そしてもう一つ。
ここで働くのは割に合わないな・・・
つまり、インバウンドビジネスは日本を本質的に安売りし世界的価値を下げ、国ごと爆買されるプロローグだということなんです。
コロナが落ち着いたら日本の大安売りが再会してしまうことでしょう。
日本が陥った経済長期停滞はかなり深刻な状況で、コスパの良い日本を喜んでいる場合ではありませんね。
日本の名目GDPが30年間横ばいという事実を直視しつつ、これから自分がどう動くべきなのかを広い視点で総合的に考え行動すべきでしょう。