僧侶のつぶやき

お金の勉強シリーズ クレジットカードを捨てたくなる話

こんにちは!トムです。

少し前に「アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書」という本が大ヒットしました。

資産運用に興味のある層が読み感心し、ぜひ自分の子供にも読ませたい一冊として取り上がられています。

あの本のヒットからアメリカは高校生でも大人顔負けなお金の勉強をしている凄い国であるという印象が一気に強まりましたね。

更に、つみたてNISAやiDeCo等の布教活動の一環としてアメリカ人この30年で個人金融資産の増加が目覚ましく日本は随分遅れをとっているという位置づけが固定化されています。

もちろん事実なのですが、それらの情報はあまりにもアメリカの光の部分に偏り、闇の部分に一切触れていません。

今回はあまり触れられない恐ろしいアメリカのクレジットカード地獄について触れてみたいと思います。

 

クレジットカードを捨てたくなる話

リーマンショック事件でもお馴染みの事ですが、アメリカは国民が買いたいものを我慢せずに借金して大量消費することによって経済を支えている構図です。

経済発展の裏には莫大な借金があるということですね。

せっかく手にいれた家を手放し、モーテルやトレーラー暮らしに落ちます。

最悪は路上生活者へ・・・

その立役者はクレジットカードです。

便利はリスクの裏返しでキャッシュの残高を意識せず欲しいものが簡単に手に入ってしまいます。

収入以上に設定された限度額が自分の購買力以上の購入を促進します。

世の中どんどん便利になって行きますが、必ずその代償としてのリスクが発生します。

今回はクレジットカードの歴史を振り返りつつ、庶民が陥るカード地獄のシナリオを探ってみましょう。

 

クレジットカードの恐ろしい黒歴史

海外で生活している日本人や頻繁に出張する人にはかなりお馴染みなのがウエスタンユニオンという会社です。

海外に手軽に送金したり受け取る際にめちゃくちゃ便利なんです。

一見銀行のような店構えと機能ですが実はアメリカの通信事業社です。

1800年代に電報を使った送金サービスを開始し大成功。

とくに貧困国での需要は絶大!

例えばGDPの10%を海外出稼ぎ者(OFW)の送金で占めているフィリピンでは、国民の大半が銀行口座を所有しておらず、その家族は銀行でお金を受け取る事ができません。

ウエスタンユニオンの送金では本人確認のみで受け取り可。

しかも銀行よりも速くて安い送金システムにつき大盛況です。

少し前置きが長くなりましたが、1921年にそのウエスタンユニオン社によって作られた「チャージカード」というサービスが現在のクレジットカードの原型と言われています。

それは限られた富裕層のみがもつステイタスシンボルとして存在し、デパートの上得意客の証でもありました。

当初はそのお店限定で効くツケのような形でしたが、1950年ダイナーズクラブの創設者であるラルフ・シュナイダーとフランク・マクナマラが1枚のカードで複数店舗利用できるカードを作り一世風靡しました。

 

STAFF MARU
それ持つとVIP気分が充満しますね
TOM
空港のVIPラウンジ使いたがる心理にも共通するような・・・

 

一般庶民のカード破産

そして1958年にアメリカンエキスプレス(アメックス)が追従し、更にバンクオブアメリカが現在のクレジットカードの原型に相当するものを作りました。

 

STAFF MARU
そういえば昔海外旅行で使っていたトラベラーズチェックってアアメックス発行でしたね
TOM
そうそう、トラベラーズチェックを手に入れる事自体が高価だった海外旅行へ出かける人特有のステイタスだった

 

バンクオブアメリカ(VISA)は6万人にカードを送りつけ、皆さんを苦しめている「リボ払い」のできる無敵のカードとして不動の地位を獲得。

1970年代には全米で1億人分ものクレジットカードが流通。

「本当は借りたお金なのに自分のものだと勘違いしていました。」

そんなカード破産者続出という流れです。

自分が稼いだ収入以上に消費するライフスタイルを提供する事で経済成長を続けたアメリカ。

支払い能力と関係なく、家や車でさえ買えてしまいます。

請求が遅れてやってくる恐ろしい仕組み。

追い打ちをかけるのがリボ払いというドツボ。

金利分上乗せされた残金に2%のブーストがかかり残金地獄へ。

限度額に達すると別のカードでキャッシングをし凌ぐという超悪循環。

 

悪魔の契約書

クレジットカードの契約書はまるで悪魔との取引です。

例えば80年代の契約書の規約内容ではせいぜい2ページ程度の簡単なものでしたが、20年後には30ページを超える膨大なものとなり弁護士でも内容を全て把握するのは難しいほどの専門用語が入っています。

つまり、利用者が理解できないよう意図的に作っているということでしょう。

カード利用者が事故破産しても金利で十分利益を得ていているのであとは債権回収会社へ売却。

恐ろしい電話がかかってくるというわけです。

もう一つ恐ろしい話が医療カード破産。

日本だけに住んでいるとピンと来ない話ですが、アメリカで救急車呼ぶと10万円以上します。

1泊程度の盲腸手術で500万円の請求が・・・

クレジットカードはアメリカでの医療費の支払いにも使われますので、日本では全く馴染みのない医療カード破産が簡単に起きてしまいます。

 

まとめ

どうですか?

クレジットカードを使うの止めたくなったのではないでしょうか?

実際私の周りでもクレジットカードの不透明さが嫌でキャッシュ生活に戻ったという知人もいます。

アメリカへ出張するたびに痛感するのが、攻めは得意だけれど守りが弱いという事です。

あちらの高校生がお金の勉強をしているのは攻めることよりも守りを学ぶ必要があるからなのです。

一方、日本はお金の勉強が足りないと言われますが、逆にそれが破産者の大量発生を食い止めているとも言えます。

どうですか?

クレジットカードを見る目が少し変わったのではないでしょうか?

 

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TOM

酒とゴルフとお遍路が大好きな僧侶TOM。国内外のビジネスオーナーとして日々邁進中。

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