僧侶のつぶやき

お金の勉強シリーズ 30年間賃金が上がらない5つの理由

こんにちは、トムです!

長年の海外生活を終え日本へ戻ってきた人の驚きはこれです。

物価も賃金も全く変わっていない!?

いや、むしろ下がってるのは?

デフレは日本の現状を包括的に表現するキーワードになっていますが、福岡を例にとると、城南区(福岡大学周辺)では小綺麗なワンルームマンションがWi-Fi付きでなんと3万円を切っています。

銀行から借り入れをして毎月返済のある大家さんはかなり大変な事でしょう。

経済の壊死が地方からすでに始まっており、やがては大都市を蝕むという構図がわかりやすい状況であります。

 

30年冬の時代を経て日本をいかに生きるか?

昭和から平成を経て、いつのまにか終身雇用という体制は消え去りました。

経済的には先祖返りともいえます。

社会人となり働き始めてから退職歴のある人は7割!。

転職経験のない人のほうが珍しい時代であると言えます。

30年間賃金が増えない。

平均勤続年数の変化を確認すると、男女ともに60代は伸び続けましたが、30代は逆にどんどん短くなっています。

転職回数と年収は反比例するという統計データが示すように、転職すると年収が下がってしまいます。

海外では転職するたびにキャリアが上がり年収アップがたり前なのですがこの差は一体何なのでしょうか?

 

 

高度経済成長期やバブル景気はとっくに昔話シリーズ。

日本はこの30年間で先進国の中では下から数えたほうが早い安い国になってしまいました。

 

賃上げを求めない日本人

アメリカでは転職回数が多いほど企業のCEOなどへ上り詰める可能性が高くなると言われます。

つまり多様なキャリアに価値を見出だそうとします。

そしてそれが常識となると非雇用側も交渉権が強まるというわけです。

日本は「会社から提示された額で合意した」「覚えていない・わからない」の割合が68%。

一方アメリカは32%、フランス20%、デンマーク28%、中国12%と、日本以外の国では賃金受け身派はかなりマイナーとなっています。

さすが中國はアグレシブですね。

日本の職場では、個人も、それと相対する企業の管理職や人事も、労働条件の交渉に慣れていない。

繰り返しますが、根本的な原因は雇用の流動化。

そして個人と企業間の賃金交渉という習慣のなさ。

現状を見る限り日本人はいやでも世界にでなければなりません。

そして交渉という異文化への挑戦がはじまります。

必要なのは駆け引き力ですね。

まさに本当のビジネスマンとしての力が試される時代となっていきます。

 

理由その1

1990年からのバブル崩壊や2008年に起きたリーマンショックの際、日本企業は雇用維持を優先する代わりに賃金のベースアップ保留や賞与ゼロを実施し生き延びました。

この経験が企業側にとって経済成長期ではあり得なかった人件費の抑制を継続させているようです。

 

理由その2

基本的に雇用を維持しながら賃金を下げられないということがあります。

労働者の同意なく基本給をさげると違法となりペナルティを食らってしまいますので基本給は低めに設定される傾向にあります。

そこで業績に従い賞与で支払いベースアップは極力行わず定期昇給のみに限定する動きが基本です。

ベースアップがなければ、同じ年齢、同じ役職といった同一条件の労働者の賃金は上がりません。

 

理由その3

組合の弱体化ですね。

若年層を中心に雇用の流動化が激しくなると組合の労使交渉が不利になります。

転職者や有期契約社員の場合、入職時の条件が多様化するに従いその後の処遇に差が付きます。

 

理由その4

大企業から中小企業への人材流出が盛んでないという理由があります。

大企業では昇給なし、ボーナスカットという条件と引き換えに会社にしがみつくことを許しました。

そのことで大企業から中小企業への人材流入が活発化しませんでした。

日本の産業全体として経済活性か自体が低迷した原因といえます。

 

理由その5

賃金が上昇しなければ当然消費も冷え込みますね。

国内産業全体の売上高が伸びず、賃金上昇の抑止力が強固となりました。

まさに悪循環ですね。

 

まとめ

かつての日本における雇用形態の3本柱といえば「年功序列」、「終身雇用」「企業別組合」でした。

韓国もかつてはそうでしたが、90年代以降、企業別組合から産業別組合へと移り変わり、産業内での人材の流動化が進みました。

すると労働組合の活動も活発化し、企業に対し強気の姿勢がとれるようになり平均賃金もどんどん上昇。

かつては雲の上だった日本人の平均年収をいつの間にか38万円も追い越しています。

これについては異論が飛び交っていますが、いずれにぜよデフレで物の値段が下がり、世界が驚くコスパのサービスとなれば当然の結果ですね。

このいびつな問題に関して、デフレに乗じて諸外国から安く買い叩かれる状況を食い止めるために国と企業の連携が早急に求められています。

 

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TOM

酒とゴルフとお遍路が大好きな僧侶TOM。国内外のビジネスオーナーとして日々邁進中。

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