こんにちは。トムです!
皆さんはきっと仏教やお坊さんとはお葬式の時だけ馴染みがあると思いますが、仏教伝来の歴史の詳細についてはボヤ~っとした感じなのではないでしょうか?
そこで今回は仏教のざっくりした歴史をインパクト重視でシンプルにまとめてみたいと思います。
先駆けとして、インドの仏教の隆盛か衰退まで追ってみたいと思います。
インド仏教の始まりから衰退まで
お釈迦様、仏陀(ブッダ)は同一人物なの?
歴史を遡る前に、皆さんのボヤ~とした知識の一つであるのがお釈迦様の呼び名です。
時々ブッダと呼ばれてたりしますよね?
お釈迦様のブッダは同一人物なのでしょうか?
まず、最も日本人にとって馴染みのある呼び名としての「お釈迦様」ですが、その語源は「シャーキヤ(梵: शाक्य Śākya)」という国の名前から来ています。
お釈迦様は元々シャーキヤ族の王子として生まれ、その領土を示す名称が後に「釈迦」と漢訳され、「お釈迦様」と呼ばれるようになりました。
だからそのお父さんもお釈迦様で子供も親戚も皆さん「お釈迦様」というわけです。
そして、もう一つ「ブッダ(梵: बुद्ध buddha)」という呼ばれについてですが、目覚めた人という意味です。
インドの宗教全般において、すぐれた修行者や聖者のことを「ブドゥ(梵: बुध् budh)」と呼んでおり、そこからブッダという呼び名となりました。
そのブッダ(仏陀)の教えということから仏教(佛教)と名付けられ今日に至るという流れです。
英語ではbuddhism(ブッディズム)です。
ちなみに本名はゴータマシッダールタといいます。
日本風に言えばゴータマさんちのシッダールタ君というわけなんです。
あくまで日本語訳としてゴータマという個人名一般的になっていますが、あちらの現地語発音ではガウタマの方が近いとされていますので、ここはあえて現地語に近いバージョンを選択してインパクトを狙ってみてはいかがでしょうか?

フェーズ1
さて、お釈迦様の生い立ちですが、2500年くらい前に北インド地方の小国の王子様として生まれました。
馬小屋で生まれたキリストとは偉い違いですね・・・
細かい事ですが、一般的に仏教はインドで生まれたという言い方がなされますが、お釈迦様は現在のネパールで誕生なさったので、仏教は現ネパール付近で生まれたという言い方の方が実は正しいのかもしれないと時々思いながら生活しております。
そしてこっそり城の外に出てみた時に、病気や老いで苦しむ人々を目撃しショックを受けます。
綺麗なお城の中では絶対に目にしない現実社会の光景が広がっていました。
そしてたまたま見かけた修行者の姿に感銘を受け、終いには家族を捨て出家します。
僧侶トリビア
お釈迦様が王子様時代に城壁の外で感銘を受けた修行者はシュラマナと呼ばれる人で、サンスクリット語で「つとめる人」「努力する人」といった意味となりのちに「沙門」と漢訳された。
— TomFu (@TomFu83622412) June 24, 2021
妻からすれば酷い夫なのかもしれませんが、人々が生まれながらにして負う4つの苦悩(生老病死)から解脱する方法を得るためです。
インド各地を放浪し悟りを開くまでの6年間、お釈迦様は瞑想をはじめ様々な苦行も行いました。
実は古代インドでは苦行が悟りに至る方法として、ごく一般的に考えられていました。
ヨガのあの奇妙なポーズはクロバティックな体制で体を痛めつけ悟りに至るための修行の名残りなんです。
ヨガの本質は痛みに集中することです。
しかし、お釈迦様はいくら苦行を行っても悟りに至ることはなく、終いには苦行を放棄しました。
そしてフラフラになりながら修行の山を下りる際に立ち寄った村でスジャータという娘から乳粥をもらい体力を回復させ、菩提樹の下で瞑想を続け12月8日に悟りを開きました。
35歳になっていたといいます。
僧侶トリビア
コーヒーに入れるミルク「褐色の恋人スジャータ」の由来はお釈迦様と関係が深い。苦行の末衰弱しきったお釈迦様に乳粥を提供したのがスジャータという女性だった。そこから悟りへと繋がることになる。
— TomFu (@TomFu83622412) June 13, 2021
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ここからが仏教の歴史の始まりです。
しかし、他の宗教でも同じ事が言えますが、お釈迦様は宗教法人を設立するように「仏教」を作ったわけではなく、一個人の価値観レベルに過ぎませんでした。
苦行で知り合った仲間に悟った内容を伝え、5名が弟子になります。
80歳で入滅されるまで教えを説き続けましたが、入滅した時の枕の方角が北にだったので「北枕」という概念が誕生したというわけです。
北まくらは不吉だと言って嫌われていますが、お釈迦様と同じ方法を向いて寝ると思えば良い事がありそうな気もしますね。
ちなみに風水の世界では北枕が好まれているそうです。
フェーズ2
お釈迦様の死後、弟子たちが結集(集会)を開き、それぞれが理解したお釈迦様の教えを確認し、統一した内容にまとめることにしました。
専門的に言えば結集(けつじゅう)と呼ばれているものです。
1回目の集まりから100年後、仏教の規模拡大に伴い教団の価値観がバラバラになっていたので2回目の結集を開催しました。
しかし、まとまるどころか、かえってグループの対立が顕著化し、終いには18の宗派に分かれてしまいます。
その特質を究極にまとめると大きく2分化されます。
- 上座部
- 大衆部
上座部はスリランカや東南アジアへ伝わり、大衆部は中国、ネパールへ伝わることになります。
ちなみに、また小ネタですが、上座部の事を昔は小乗仏教と呼んでいましたが、大人の都合で大衆部という言い方へ変更されました。
どうやら小さいという事が差別用語に当たるとか・・・
上座部
出家して修行を積むことを通してのみ悟りに達することが出来ると説きます。
つまり、宗教というより自己の心身鍛錬法ですね。
現代風に言えば強いメンタルを作る方法といえばピンとくるかもしれません。
ちなみに上座部は「南伝(なんでん)仏教」とも呼ばれます。
例えば、タイは現在でも敬虔な上座部的仏教国であり、成人男性は一定期間、必ず出家する伝統があります。
一般の信者は僧侶や寺院に布施することによって功徳を積みます。
僧侶トリビア
昔学校で東南アジアへ伝わった仏教のことを #小乗仏教 って習ったのだが、「少数しか救われない」という意味が差別的であるため、昭和25年の世界仏教会議で使用禁止の決議がされた。
— TomFu (@TomFu83622412) June 24, 2021
大衆部
上座部では修行者本人または限られた人しか救われないと批判した人達が大衆部を作り上げていきます。
大乗仏教とも呼ばれ、サンスクリット語では「マハーヤーナ」(大きい乗り物)という意味です。
大勢を救える大衆受けする教えとなると如何にも宗教的になっていきますね。
これが中央アジアからシルクロードを経て中国チベット、モンゴル、朝鮮半島、そして日本に伝わりました。
「北伝(ほくでん)仏教」とも呼ばれます。
誰でも悟りに至るチャンスがあると考え、その方法をめぐってさまざまな宗派ができ、阿弥陀や弥勒などの諸仏や菩薩といったバラエティー豊かな仏像が生まれました。

フェーズ3
仏教伝来の歴史で必ず出てくるのがガンダーラ。
アラフォー以上の人にはピンとくる名前ですね。
ドラマ西遊記のエンディングソングでお馴染みの「ガンダーラ」。
ゴダイゴのタケカワヒデユキさんが作曲し、作詞の奈良橋さんと曲作りについて話し合い、互いに「エキゾチックな歌がほしい」、「ガンダーラ美術みたいなもの…」と話していたら、「ガンダーラ」がそのままタイトルになったらしいです。
第二回結集で宗派が細分化した頃に経典の研究が盛んになり、その中心地がガンダーラ王国で現在のアフガニスタン付近なのでほぼ中東がかってますね。
仏教うんぬんよりも洋風の仏像が日本人の審美法則に響き、イケメンを表現する際、「ガンダーラ美術のような〇〇さん」のような例えとしてもよく使われます。
僧侶のつぶやき
日本の仏像とはかけ離れたガンダーラ美術。ダビデ像の親戚かと思う。 https://t.co/wSo7ercGeH— TomFu (@TomFu83622412) June 25, 2021