先日、特集でもお伝えした様変わりしていく葬儀業界の実態をお伝えしましたが、
坊主としてここ最近話題になっているキーワードがあるので、改めてご説明しようと思います。
それは、「家族葬」です。
最近本当によく耳にするようになりました。
皆さんはこの「家族葬」についてご存知でしょうか。
少しばかり詳しくご説明したいとおもいます。
なせ家族葬が誕生したのか
葬儀といっても様々なスタイルがあります。まずはさくっとおさらい。
- 直 葬・・・葬儀の中でも一番小さなスタイル。ご逝去後にご遺体安置を経て火葬場を直接行く。予算少ない。
- 火葬式・・・直葬に小さな式を火葬場などで執り行うスタイル。流れはほとんど直葬と同じ。予算少ない。
- 一般葬・・・お通夜や告別式を行い故人を偲ぶ式。皆さんが通常思う葬儀とはこちらのこと。予算大きい。
これまではこの3種類(大きく分けると「火葬式・直葬」と「一般葬」の2種類)でした。
そこで、火葬式までもいかず、予算がないので一般葬までもいかない「中間」の希望が相次ぎました。
一般葬は、昔の形式では「1日目お通夜、2日目告別式」の2日間で行うため、喪主や親族だけでなく、参列者も大変なため、コンパクトに行う中間である「家族葬」が誕生したのが経緯です。
また、一般葬まではお金が出せないがそれなりに葬儀を行いたいという方々の要望に対し、葬儀社が予算内で収まる式を準備したというのが近いかもしれません。
ただし通常の一般葬にも「1日」で終えるものもあります。
地域や葬儀社によって異なる場合がありますので、葬儀社としっかり打ち合わせを行うことが必要になってきます。
そもそも家族葬とは何なのか?
家族葬の定義については、実は統一された様式がありません。
先程もお伝えしましたが、これまで主流と考えられてきた「大人数の参列者による大規模で高額な葬儀」が時代の変化と共に少なくなっていく中で、葬儀社が小規模で比較的低予算な葬儀をそれっぽい商品として売り出すためにつけられたものなのです。
つまり家族葬とは葬儀社がつけた「商品名」でしかないのです。その為、葬儀社、担当者によって
- 家族葬とは、親族のみで執り行う葬儀
- 家族葬とは、参列される方が予め分かっている葬儀
- 家族葬とは、親族及び特に親しかった近親者で執り行う葬儀
など、家族葬の定義は曖昧なのです。
ただ1つ言えることは「家族葬とは小規模で執り行う葬儀」ということです。
葬儀社のCMはどこも「家族葬」一色です。
貧富の差が広がる中、葬儀のカタチも時代に応じて変わらざるを得ないということなんでしょうね。